2010/09/16
より快適に、より安全に セキュリティソフトが「クラウド化」すると、どうなるの?
さまざまなITサービスが「クラウド化」しています。その中で、昨今ではセキュリティソフトもクラウド化が進んでおり、セキュリティベンダー各社が新製品を発売しています。
セキュリティソフトがクラウド化すると、従来と何が変わり、どんなメリットがあるのでしょうか? わかりやすくご紹介しましょう。
あなたのパソコンをさまざまな脅威から守ってくれるセキュリティソフト。このセキュリティソフトも、実はクラウドサービスを利用している機能があることをご存じでしょうか?
ひと昔のセキュリティソフトは、すべてのウイルスパターンファイルを利用者のパソコンにインストールさせるなどしていました。そのため、セキュリティソフトがパソコンのメモリを多く使用してしまい、パソコンの動作が遅くなるなど、利用者がストレスを感じることが多々ありました。
しかし、近年は、ウイルスをはじめとする新たな脅威が次々と誕生し、ウイルスパターンファイルを利用者のパソコンにインストールするのでは、対応が難しくなってきました。そこで、「レピュテーション技術」を用いて、Webサイトやファイルの安全性を評価する手法が採用されています。このレピュテーション技術が、クラウドを応用したものなのです。
最新のセキュリティソフトは、セキュリティベンダーのデータセンター側で脅威情報を管理し、増加し続ける脅威にクラウド上でリアルタイムに対応するものが登場しています。つまり、セキュリティソフト利用者のパソコンの中には必要最小限の脅威情報だけを持ち、脅威情報の多くはクラウド上で管理するという仕組みです。
利用者は、必要に応じてクラウド上にある膨大な脅威情報に自動で問い合わせを行います。このため、パソコン内に全ての脅威情報がなくても、十分安全なインターネット環境がつくられるのです。また、セキュリティベンダーから配信されるウイルスパターンファイルについては、1日に1回程度の配信でファイルの容量も従来より小さくなっています。
セキュリティソフトがクラウド化することのメリットにはどのようなものがあるのか、例を挙げてみましょう。
クラウドの利用と、技術の進歩により、セキュリティソフトはますます軽く、快適になってきています。従来と比較すると、以下のようなイメージです。
さらに、セキュリティソフトの利用者から脅威情報を収集して、クラウド上の脅威情報に分析結果を追加することで安全性を高めているものもあります。これは、まず、利用者が不正プログラムが埋め込まれたWebサイトに遭遇した際などに、その情報がセキュリティベンダーに自動で送られます。その脅威情報を分析し、対策を講じ、すべての利用者に対して脅威情報を共有、検知・駆除を行うということを実践するものです。みんなが使うことで、みんなが安心してインターネットを利用できるようになります。
セキュリティソフトを選ぶ際には、「クラウド」によるメリットをふまえて選択することをおすすめします。